サミュエル・イェスルン・デ・メスキータは、
マウリッツ・コルネリス・エッシャー Maurits Cornelis Escher
に影響を与えた画家で、エッシャーの入学した美術学校の講師でもあり、恩師にもあたる人物。
1944年に強制収容所に送られ、そこで家族もろとも殺されましたとのことです。
残された作品は、エッシャーたちが持ち帰って命懸けで保管し、戦後すぐに展覧会が開催されたそうです。そういう意味でこの展示会のキャッチコピーとなっているようです。
そのおかげでこうして観ることが、そして知ることができてありがたいことです。
もともと私はエッシャーが好きで、その人に影響を与えた人物の展覧会とあって、行かねばと思っていたのですが月曜日が休館だったのを忘れており、金曜日は20時までやっているとのことでしたので再度調整し、なあんとか駆け込んで観てきました。時間が足りるか心配でしたが作品に魅了され、結局ギリギリまで観ることに。
私は学生時代、版画を学びました。といってもシルクスクリーン。リトグラフとエッチングとの3択でしたが、よりデザイン志向の強い(と当時感じた)シルクスクリーンを選択しました。楽しそうだと思ったのもありますが。
そういうこともあり、エッシャーやメスキータのような木版や銅版の白黒の世界観の作品を見るとアート志向の強い作品と思いがちなのですが、メスキータもエッシャーも十分グラフィックデザインの要素が含まれており、それに感銘を受けるのなら、やはり自分は基本的には平面の人なのだなと改めて感じました。
版画ということもあり、一部もしかして浮世絵の影響もうけたのかなと思う作品もあったので後で調べてみると、やはりそういう指摘もあるようです。
以下の公式サイトに掲載されている、
《幻想的なイマジネーション:さまざまな人々》1925年頃、個人蔵
《ワシミミズク》1915年、個人蔵
《トーガを着た男》1923年、個人蔵
《パイナップル》1928年、個人蔵
などが個人的にはすごく惹かれました。
残念ながら《幻想的なイマジネーション:さまざまな人々》絵葉書が
ショップになかったので画集を買っておきました。
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201906_mesquita.html
まだ会期は残っていますので、夏休みを利用して観に行くのもよろしいかと。
比較的空いていると思います。ステーションギャラリー自体も見ものですよ。新幹線で降りたら東京駅ですので楽に行けますし、東京みやげも駅構内は充実していますよ。